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【考察】BTSテテとIUの「Love wins all」サッドエンド?ハッピーエンド?

BTSのV(テテ)とIUの演技が話題の「Love wins all」の考察 K-POP

2024年1月24日に公開されたIUさんの新曲「Love wins all」

まるで短編映画を観ているような錯覚に陥るMVですが、“全ての愛が勝つ”というロマンチックな曲のタイトルとは異なり、暗黒な世界を描いたディストピア的な世界観をも彷彿とさせます。

素晴らしい作品には様々な解釈が生み出されるものですが、今回もMVをめぐって数多くの考察がSNSに溢れています。

韓国ではOSENをはじめ、多数のメディアでMVを演出した監督による考察ガイドが公開されましたので、それをもとに「Love wins all」の考察を分かりやすくまとめてみました。

「Love wins all」基本情報

公開日 2024年1月24日
企画 EDAM Entertainment
流通 Kakao Entertainment Corp.
概要 IU 6th Mini Albumの先行公開曲
MV出演 IU、V(BTS)
MV監督 オム・テファ監督
映画「コンクリート・ユートピア」を演出

「Love wins all」の考察

ここからはネット上で見られた考察と独自の考察、さらにオム・テファ監督の考察ガイドを交えて紹介いたします。

①キューブの存在

MVはIUさんとVさんが謎の四角い箱から逃げるところから始まります。
2人を執拗に追う“キューブ”は、主人公に向けた差別を意味しており、日常で蔓延した各種差別と抑圧などを意味すると解釈されています。
世の中に存在する“差別”は様々な形で存在しますが、MVではその差別を目に見えるキューブという物体で表現したのでしょう。

②廃墟に積み重ねられた洋服

キューブに追われながら、ある建物に入った2人。
建物の内部には積み重ねられている服の山が見えます。
恐らくこれは別で犠牲になった人々の痕跡を意味しているのではないかと推測されます。

③洋服の山はフランスの彫刻家のオマージュ

X(旧 Twitter)にはこのような意見も。
この積み重ねられた服は、フランスの彫刻家クリスチャン・ボルタンスキー氏のモニュメント展のオマージュなのでは?と。

クリスチャン・ボルタンスキー氏とは?

生と死、個人の記憶や忘却、存在と不在を作品の主なテーマとする現代アーティスト。
無数の古着を積み上げた「ぼた山」の作品は、人々の存在や死を連想させる作品です。
―出典:朝日新聞

④ビデオカメラの意味

Vさんが廃墟で偶然発見したビデオカメラを拾い、IUさんの姿を映そうとすると、驚くべきことに画面の中の彼女は傷が全て治癒した姿に映し出されます。
ビデオカメラで撮られた画面は、廃墟になる前の明るかった世の中
ビデオカメラのレンズは、すなわち“愛のフィルター”を意味しており、現実で多くの困難によって傷ついた姿ではなく、差別の影響を受けないお互いの真の姿を見ることができるメディエーターと捉えられるでしょう。

⑤ビデオカメラの中の世界

ビデオカメラの中の世界で、2人は美味しい食べ物を食べたり、“愛の結実”を象徴するドレスとタキシードを着て、沢山の空間を走り回りながら幸せを満喫します。
このシーンは“愛の力”を見せている場面ではないでしょうか。
くすんだ灰色の現実とは反対に、暖かな世界が広がる暖色のレンズの中。
美しい姿はお互いの想像の中だけですが、少なくとも二人だけはお互いの姿が最も美しく幸せな姿に映っていることを意味しているのではないかと思います。

⑥フォトスタジオのシーン

2人はセルフフォトスタジオを探して写真を撮ります。
しかし、実物の写真には二人の傷がそのまま映っている様子が見られます。
これは、彼らが幸せを感じている中でも、現実の姿はそのままだと示しているシーンだと考えられます。

⑦耳が聞こえない人と左目だけで世界を見る人

IUさんが手話を使うシーンから、彼女は耳が聞こえない人であり、また唇をよく見てみると小さなピアスがついていて、世の中と疎通することに困難があることを意味すると監督のガイドには伝えられています。
また、Vさんは右目にレンズを着用していることから、右目は見えず左目だけで世界を見る人と捉えられます。
一目で見て、2人は世の中で多くの難関を乗り越えていく状況の人たちを表現しているように感じ取れます。

⑧襲いかかるキューブ

ドレスとタキシードを着ていた2人は、暖色の世界の中で結婚式を挙げているような幸せな雰囲気に浸りますが、再びキューブが現れます。
2人は逃げたものの、すでに外の世界はキューブという“差別”に占領されたように見えます。
しかし、2人は諦めずにキューブから逃げ続けますが最終的にキューブから攻撃され、VさんがIUさんの代わりにキューブを倒すために攻撃を試みます。
ここのVさんの行動は、おそらく自分の愛する人が“キューブ(差別)”を受け、傷つくことを心配し、本人が犠牲になろうとしたのではないでしょうか。

⑨Vの左目を隠したIU

結局キューブからの攻撃を避けられず、Vさんを抱きしめたIUさんは、キューブを目の前にしているVさんの唯一見える左目を隠します。
このシーンは、キューブ(差別)を見させずVさんを落ち着かせて安心させるIUさんの“最大なる愛”だったのではないかと思います。

⑩結末はサッドエンド?

キューブからの攻撃を受けて、IUさんが最後で見せた涙と、ビデオカメラの中の世界が2人が望む理想の世界だと考えるならば“サッドエンド”と捉えられるでしょう。

いくらお互いに愛し合っている人たちでも結局キューブ(差別や偏見)には勝てず、“最期”は避けられない。
この最期の直前に、2人はビデオカメラを通じて自分たちの煌びやかな姿と愛を振り返り、ドレスとタキシードという象徴的な愛の意味を残して古着の山に落ちていくのならば、サッドエンドと捉えられるかもしれません。

この場合、例の古着の山は上述したように差別で犠牲になった人々の痕跡と解釈されますよね。

⑪結末はハッピーエンド?

曲のタイトル「Love wins all(全ての愛が勝つ)」というメッセージから、愛を通じて現実の自分を受け入れ、他人の視線に勝つ人生を表現しているのならば“ハッピーエンド”と考えられます。

結局2人は、差別や偏見(キューブ)を避けられないという現実を受け入れ、想像の世界で逃げる代わりに、現実では正面から受け止めます。
キューブに対して堂々と向かい合った2人が残したドレスとタキシードは、彼らが虚しく敗北したのではなく、差別や偏見の前に立ち、理想を脱ぎ捨てて本当の自分の姿を受け入れたという解釈にも捉えられます。

そうすると、古着の山の服の持ち主たちも、彼らなりの痛みや現実と戦い、最後まで逃げなかった人たちなのでしょうか。
あの古着の山は、そこに存在していた多くの人たちによる、多くの愛の痕跡とも言えますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここではIUさんの新曲「Love wins all」の考察についてまとめてみました。
メッセージ性が強いMVなので、きっと百人百様の捉え方があると思います。

VさんとIUさんの繊細な感情表現にこちらまで胸が熱くなり、まるで一本の映画を観終わったような深い余韻に包まれました。
希望がどんどん薄れていく世の中でも、今そばにいる大切な人たちとの“愛”が、人々が生きて行くための原動力のように感じました。

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