韓国を代表するガールズグループNewJeans(ニュージーンズ)のメンバー、ハニが所属事務所HYBEからの冷遇を訴え、大きな波紋を広げました。SNS上ではハニが韓国国会の環境労働委員会の国政監査に出席したことが話題となり、ファンのみならず、K-POP業界全体に衝撃を与えました。
本記事では、この件の経緯を詳細に追いつつ、なぜHYBEがNewJeansを冷遇したのか、その背景にあるK-POP業界の構造的な問題について深く掘り下げていきます。
・この件がK-POP業界に与えた影響を分析する
・K-POP業界が抱える構造的な問題を指摘する
・この件をきっかけに、K-POP業界がどのように変わっていくべきか考察する
韓国国会の証言:涙ながらの訴え
ハニの言葉
🐰お互いに人間としてもっと尊敬し合えば、少なくとも職場の嫌がらせや問題は起こらないと思います。だから今回この件について関心を寄せてくださり心から感謝していますし、今いる他の先輩方や同期の方々、後輩、練習生たちはこのような無駄な心配をしないでほしいです。… pic.twitter.com/L5vv11zQFl— ビタ (@Vita_M1nji) October 15, 2024
2024年9月、NewJeansのメンバーが緊急生配信を行い、その中でメンバーたちは所属事務所のスタッフから「無視」と「いじめ」に遭っていると告白しました。この衝撃的な告白を受け、事態はさらに深刻化。その後、2024年10月15日にハニが韓国国会の環境労働委員会の国政監査に参考人として出席し、自身の体験を詳細に証言しました。
国政監査でハニは、HYBEの関係者から意図的に無視されたことなどを訴え、現役アイドルが国会の場でこのような証言を行ったことは異例であり、K-POP業界におけるパワハラ問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。
HYBEとADORの対立
この背景には、NewJeansの所属事務所ADORと、その親会社であるHYBEとの対立がありました。ADORの代表であったミン・ヒジン氏は、NewJeansをプロデュースしたクリエイティブな人物ですが、HYBEとの経営方針の違いから、最終的に解任。
ミン・ヒジン氏の解任は、NewJeansのメンバーにも大きな影響を与え、特に、ミン・ヒジン氏に深く信頼を寄せていたメンバーたちは、その影響を強く受けたのではないかと考えられます。
K-POP業界の構造的な問題
これらの様子は、K-POP業界が抱える構造的な問題を浮き彫りにしています。
- アーティストの意見を無視:HYBEは、アーティストの意見よりも、商業的な成功を優先したのではないかという批判を受けました。
- パワハラ疑惑:HYBEのマネージャーによるパワハラ疑惑が浮上し、K-POP業界における労働環境の問題が改めて注目されました。
- 契約の不透明性:HYBEとアーティスト間の契約内容が不透明であり、アーティストが不利な立場に置かれているのではないかという声も上がりました。
- アーティストの権利保護:K-POPアイドルの権利が十分に保護されていないという問題も指摘されています。
なぜHYBEはNewJeansを冷遇したのか?
ハイブ、今日25日ミンヒジンらを背任容疑で告発
ハイブは25日、中間監査結果を発表し、監査結果を通じてADORのミンヒジン代表が主導して経営権奪取計画が立てられたという具体的な事実を確認し物的証拠を確保したと伝えた pic.twitter.com/hCPjr6l58h
— keitadj (@keitadj3) April 24, 2024
HYBEがNewJeansを冷遇した具体的な理由は、まだ完全には明らかになっていません。しかし、いくつかの可能性が考えられます。
ADORとの対立で見えた敗北感
HYBEのパン・シヒョク議長はBTSを成功させたものの、たった一つ自身が出来なかったことがガールズグループの成功です。
彼がプロデュースに関わった一番最初のガールズグループはGLAM(グラム)というグループでしたが、GLAMのメンバーの脅迫事件により解散します。
引用:Danmee
パン・シヒョク氏にとって苦い思い出となったGLAM。そこで再びガールズグループのプロデュースに挑戦しようとし、SMエンターテインメントで伝説となった女性プロデューサー、ミン・ヒジン氏を誘いガールズグループで成功を考えます。
ミン・ヒジン氏をHYBEに招待した際、あの有名な「aespa(エスパ)を倒せますか?」というセリフが出てきます。
マスコミには、ミン・ヒジン氏が作り上げたグループを「HYBE初のガールズグループ」と大々的に広報したものの、NewJeansを見て「これでは成功できない、自分のスタイルに合わない」と急遽保留にし、パン・シヒョク氏がデビューアルバムの総括プロデュースを担当した「LE SSERAFIM(ルセラフィム)が先にデビューする」とミン・ヒジン氏に通告。
ミン・ヒジン氏は、自分だけを信じてきたNewJeansのメンバーがお蔵入りになることが耐えられず、ADORを設立してHYBEとは別にデビューさせることに。
その後NewJeansがデビューし、勢いに乗って大ヒット。全世界がNewJeansに歓喜している姿を見たパン・シヒョク氏は、自分の失敗に向き合っているようで、彼女たちを見る度に自身の敗北を実感したのではないかと、韓国ではそのように捉えられています。
NewJeansのシングル「Ditto(ディト)」が興行して、ビルボードチャートに上がった際、ミン・ヒジン氏に向けて放ったパン・シヒョク氏の一言「楽しいですか?」に、その敗北感と皮肉が込められていたのかもしれません。
今後の展望
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— NewJeans Loops 🐇 (@newjeans_loop) October 15, 2024
NewJeansのメンバーに対するHYBEの冷遇は、K-POP業界に大きな影響を与える可能性があると考えられます。
NewJeansへの直接的な影響
- メンタルの悪化:冷遇によってメンバーたちのメンタルが悪化し、活動に支障が出る可能性があります。
- モチベーションの低下:自分の努力が評価されないと感じ、モチベーションが低下。これにより、パフォーマンスの質が低下することも考えられます。
- 将来への不安:グループとしての未来に不安を抱き、活動に集中できなくなる場合もあるでしょう。
HYBEへの影響
- 企業イメージの低下:冷遇問題が発覚し、HYBEの企業イメージが大きく損なわれ、信頼を失う可能性があります。
- ファンからの批判:ファンからの批判が殺到し、既存のファンが離れ、ネガティブなイメージが定着することで、新規ファンの獲得も難しくなるでしょう。
- アーティストとの関係悪化:他のアーティストとの関係も悪化し、所属アーティストの流出につながる場合もあると考えられます。
- 株価への影響:企業イメージの低下は、株価にも悪影響を及ぼす可能性があります。
K-POP業界全体への影響
- K-POP業界全体の信頼低下:K-POP業界全体に対する信頼が低下し、業界のイメージが悪化する可能性があり、K-POPアイドルの労働環境問題が改めて注目され、業界全体の改善を求める声が強まる可能性があります。
- アーティストの権利意識の高まり:アーティスト自身が自分の権利を守るために声を上げるようになり、業界構造が変化していくものと見られます。
- ファンパワーの拡大:ファンがアーティストを守るために積極的に活動することで、ファンパワーがますます大きくなることも考えられます。
社会全体への影響
- パワハラやいじめ問題への関心の高まり:芸能界に限らず、社会全体でパワハラ問題への関心が高まり、対策が求められるでしょう。また、労働環境の改善を求める声が高まり、労働法の改正や企業の社会的責任が問われる可能性があります。
NewJeansに対するHYBEの冷遇に関するまとめ
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— NewJeans Loops 🐇 (@newjeans_loop) October 15, 2024
NewJeansのメンバーに対するHYBEの冷遇は、単に一つのグループの問題にとどまらず、K-POP業界全体、ひいては社会全体に大きな影響を与える可能性があります。この問題をきっかけに、K-POP業界の労働環境や契約システムの見直し、そして社会全体のパワハラ問題に対する意識改革が進むことが期待されます。
K-POPアイドルは、ファンに夢と感動を与えてくれる存在ですが、その裏側では、多くのアイドルたちが苦しんでいます。この件をきっかけに、K-POP業界がより良い方向へと変わっていくことを願っています。